3、ボトックス注射をリハビリに

ボトックス注射といえば、おもに美容で用いられているものとして有名です。美脚や顔の輪郭を整える方法、あるいは発汗量を抑える方法としても用いられています。ここにきて医療の分野でも注目されるようになっています。

痙縮という症状があります。これは脳卒中の後遺症として現れるもので、手足の筋肉がつっぱってしまう症状です。これは脳卒中の影響で手足の筋肉が過剰に緊張する症状です。他にも頭部の外傷や脊髄損傷などの後遺症として現れることがあります。手が握られた状態で開くことができない、足先が伸びたままで動かせないといったケースがよく見られます。ボトックス注射はこの痙縮のリハビリに効果を発揮するのです。もともとボトックス注射は筋肉を萎縮させる効果があります。それによってエラや脚の筋肉の出っ張りを減らすことができるわけです。この効果を萎縮に役立てようというのです。筋肉が緊張状態を続けることでうまく動かなくなっているわけですから、ボトックス注射で緊張を解いてしまえばよいわけです。

じつはボトックス注射はこれまでも広く医療の分野で使用されてきました。たとえば眼瞼けいれんなど。しかしリハビリに使用されることは長らくありませんでした。それが、2010年10月に厚生労働省によってリハビリでの使用が認可されたことで、医療の現場での積極的な活用が広がりつつあります。高齢化の進行もあり、脳卒中のリハビリ環境の充実がこれまで以上に求められるといわれている現代社会。ボトックス注射は重要な役割を果たす可能性を秘めているのです。